主な疾患の一覧
ロングスリーパー(長時間睡眠体質)
ロングスリーパー(長時間睡眠体質)は成人の典型例で毎日10〜12時間の睡眠時間を必要とし、健康維持のために必要な睡眠時間が平均よりも長い人々のことです。
ロングスリーパーが必要な睡眠時間を取らなければ、朝起きれない、昼間に眠い、健康を崩すといった症状が現れます。
背の高い人が背の低い人に向かって「あなたの背が低いのはあなたの努力が足りないからだ」なんて言わないですし、仮にいたとしても問題になるでしょう。しかし、短時間睡眠で平気な人がロングスリーパー長時間睡眠体質の人に対して似たようなことをいうのは、世の中まかり通っていませんか?
「花粉症」や「多汗症」などの体質を「本人の努力次第」と認識する方はあまりいないでしょう。
しかし、何故か「睡眠時間が長い体質」のみが世間では「本人の努力次第」と言う間違った認識を受ける傾向にあるのです。
世の中には
・毎日9時間睡眠が必要な人口が約5-10%
・毎日10時間以上の睡眠時間が必要な人口が約1%
存在すると言われています。
稀なケースでは毎日の平均睡眠時間が15ー20時間を必要とされる方もいらっしゃいます。
現在ロングスリーパーは定義に問題を抱えています。
例えば、ロングスリーパーは睡眠障害国際分類第三版ICSD3上で「正常範囲の亜型」と記載がされています。
ロングスリーパー(長時間睡眠体質)は本人に必要な睡眠時間が取れれば普通の人と変わらない生活が送れることから、日本国内では「過眠症ではない」や「病気ではない」という定義をされている傾向にあります。海外では「健康な過眠症」と呼ばれ、病気であるか体質であるか議論中のようです。
検査に何も異常がなく数十年間以上毎日15ー20時間眠り続けて普通の社会生活が送れない人々が「病気ではない」と定義、診断を受けるのは納得がいかないものです。
しかし、こういった現状でロングスリーパーはどんなに重症例であっても病気とは認めてもらえず、障害手帳を取得することもできず、社会福祉が一切受けられないのです。
一般社会で暮らしているロングスリーパーの方は長時間睡眠が必要なため仕事に付けなかったり、十分な睡眠時間が取れないことで様々な体調不良に苦しんでいたり、周囲には怠け者であるとレッテルを貼られたりと苦しんでいるものです。
私たちはロングスリーパーの啓発として健康維持のために必要な睡眠時間は本人の努力では変えられないことがあるということを皆様にお伝えしたいと思います。
ロングスリーパーは毎日10時間以上の睡眠時間を取らなくてはいけないことでフルタイムの就労が困難であったり、重症例の方々は幼少期から不登校で人生で一度も学校に行ったことがない、一人で食事を摂ることも困難という方もいらっしゃいます。
ロングスリーパーの典型的な患者さんは数多くの病院を受診してご自身の眠気に関して様々な原因を探しています。保険外診療の高額な治療を試したり努力をされている方も多くいらっしゃいます。
しかし、努力しても原因がわからないものはわからないもの、変わらないものは変わらないものなのです。
そういった状況の人々が「どんなに検査しても異常はないから病気ではない」「病気ではないから社会福祉は受けられない」という現状は改善していくべきであると思います。
また、必要な睡眠時間は遺伝要素で決定しており「ショートスリーパー」や「ロングスリーパー」は後天的な努力で変えられるものではないことも世間の皆様に知っていただきたいと思います。
ロングスリーパー長時間睡眠体質の啓発、長時間睡眠が必要な体質の人々の社会理解の促進の為に取材をお願いいたします。
当団体のロングスリーパーの活動のページはこちらです
ロングスリーパーと過眠症の違いについて:
ロングスリーパーと過眠症の違いに関して
「睡眠時間が短くても日中の眠気があれば過眠症や病気である」→過眠症
「長時間寝て日中の眠気が残らないから過眠症や病気ではない」→ロングスリーパー
という診断基準が使用されています。
この基準の解釈は難しく、
例えば
「毎日9時間以上寝ていれば眠くない」とご本人が証言をしている普段6時間くらいの睡眠時間の方が日中に眠気を感じて過眠症という診断を受けています。
一方で数年以上毎日18時間眠り続けて日中に眠気が残らない方がロングスリーパーという診断を受けています。
健常者の一般の方々も普段6時間くらいの睡眠時間をとり続けていれば日中に眠くなってしまう症状を経験することでしょう。特に「毎日9時間以上寝ていれば眠くない」とご本人が証言されているのであれば、普段6時間睡眠で日中に眠い方が数年間毎日18時間眠り続ければ日中の眠気は残らないのではないでしょうか、という疑問を持ってしまうような基準なのです。
現在の臨床医療現場で過眠症の診断に使用されるMSLT検査は健常者の睡眠不足症候群の重症度判定のみに有用性が認められており
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1087079220300496
一度検査が陽性だった同一人物が睡眠時間を延長するだけで陰性になるという研究結果もあります。
https://academic.oup.com/sleep/article/12/5/449/2742703
一般社会で暮らしている典型的なロングスリーパーは毎日10時間以上の睡眠時間を確保することは難しく、真のロングスリーパーの方々が臨床医療現場でロングスリーパーの診断を受けているケースはとても稀です。
睡眠障害国際分類ICSD-3には「特発性過眠症とロングスリーパーの見極めは非常に難しい」と記載されており、ロングスリーパーの多くの方々は社会的な事情で毎日10時間以上の睡眠時間が取れず相対的な睡眠不足に陥り日中の眠気や自律神経失調症などの症状で後述の特発性過眠症やナルコレプシーの診断を受けていることが典型的です。
また、普段の睡眠負債を休日などに返済する症状で後述のクライネ・レビン症候群(反復性過眠症)など別の過眠症の診断を受けているケースも多くあります。
現在ロングスリーパーの診断を受けている方々は元々別の過眠症の診断を受けていた方が長期にわたり12-18時間以上の長時間の睡眠を取るようになって、のちにロングスリーパーであることに気づいたというケースが一般的です。
また、今の「過眠症」という用語には様々な眠気を引き起こす疾患がその病名の中に含まれている傾向があります。
睡眠の問題を併発することで知られる疾患は多くあります。(例:ADHD、結合組織疾患)
しかし、それらの中の同一疾患の患者さんのグループで臨床医療現場で診断を受けている患者さんの傾向として、
・1日の総合睡眠時間が短い(もしくは夜間の睡眠の質の低下を引き起こす別の疾患を持っている)グループは日中に眠気があるのでMSLT陽性→過眠症の診断を受けている。
・1日の総合睡眠時間が長いグループは日中に眠気はないのでMSLT陰性→ロングスリーパーの診断を受けている。
という傾向を感じます。
特発性過眠症(&ナルコレプシー2型)
現在、特発性過眠症は診断基準に大きな問題があり、この疾患の正しい定義を把握し、啓発を行うことが難しい状態です。
特発性過眠症に関して何か1つの定義を取り上げると
「あの有名な学会の有名な専門医さんがこう言ってるので、この定義が正しい。」
「いや、こちらの別の有名な学会の別の研究発表にこういう記載がされてるので、この定義のほうが正しい。」
「いやいや、こっちの有名な研究機関の有名な研究者さんから別の発表がされているので、その説は間違えている。」
と議論になってしまう傾向にあります。
特発性過眠症の定義や診断基準に関して、患者さん並びに医療関係者さんらが各々で「偉くて有名な」学会、研究機関、専門医さん、研究者さん、研究発表、公式研究文献を持ち出し、議論をされる傾向にあります。
しかし、現状の特発性過眠症に関して「偉くて有名な学会」「偉くて有名な研究機関」「偉くて有名な専門医さん」「偉くて有名な研究者さん」「偉くて有名な研究発表」「偉くて有名な公式研究文献」は複数存在し、その複数が同格くらいに「偉くて有名」であり、その全員が個々で別の主張をし、別の文献に別の説が記載されているような状況なのです。
現在の臨床医療現場での特発性過眠症は「眠気を引き起こす様々な別の疾患の集合体である」という説が一番的を得ているように感じられます。
当団体では特発性過眠症やナルコレプシー2型の啓発活動として
1、原因がわからない眠気の症状に悩んでいる人々が多く存在するということ。
2、眠気を引き起こす未知&既知の疾患(例:発達障害など)が多く存在するということ。
3、適切な睡眠時間は個人により違うということ。(毎日8時間睡眠は十分ではない可能性があること)
の3つの啓発を行っています。
今現在、特発性過眠症は世界で一番大きな特発性過眠症研究啓発団体から「医療関係者にすら勘違いを受け、もっとも過剰診断、誤診をされた睡眠障害である」と啓発されています。引用元
現在の特発性過眠症の診断基準に関して、様々な文献で別の診断基準が記載されています。
また、この疾患の定義は曖昧であり、一つの文献で定義された診断基準の解釈の幅は広く、診断基準が全く一貫せず、そのクリニック独自の診断方法を採用している医療機関様が多く存在します。
日本国内の専門医のお医者さんも各々で別の考えをお持ちでおり、定義の解釈に関して専門医さん各個人により意見が変わります。
そういった現状のため、実際の臨床医療現場では一人の患者さんが同時期に同一検査結果を持参し複数の病院を受診するだけで一つの病院では診断名が特発性過眠症だった方が他の病院ではそうではないと言われたり、逆のことが起きたりします。
今現在この疾患の臨床医療現場の診断基準で最も多く診断を受けているのは健常者の睡眠不足症候群が強く疑われる方々です。
今現在特発性過眠症の診断を受けている8割くらいの患者さんは「過去、毎日8〜9時間の睡眠時間が取れていた時は眠くなかった」とご本人自身が証言をしているのにも関わらず普段6〜7時間くらいの睡眠時間しか取れていません。
現在の臨床医療現場では特発性過眠症の診断の際の睡眠不足の除外診断の規定が病院により異なります。
また、特発性過眠症と思えてしまうような日中の眠気を発症してしまうような生活をされている患者さんらに「診断前に睡眠不足の要因を完全に排除する」ことを要求することは現実問題として不可能なものです。
今現在「特発性過眠症」の診断を受けている方の中には「普段の睡眠時間が0〜3時間睡眠で日中の眠気を感じ、検査の前だけ8時間の睡眠時間を取ってもまだ眠気が残る」という症状の方が多くいらっしゃいます。
普段の特発性過眠症の診断を受ける患者様は普段残業の多いブラック企業で働いている方、進学校の受験生の方が多く、ロングスリーパー気味(睡眠時間が9時間よりも多く必要な体質)の方が毎日9時間以下の睡眠時間で暮らしており「日中に眠くなる」「休日に長時間睡眠を取る」という症状の方で医療機関を受診し、現在のPSGやMSLTなどの診断基準を満たしてこの疾患の診断を受けている状況が最も典型的であるように感じられます。
一方で、毎日12〜20時間以上を数年間以上眠り続けている方々、不登校で生まれてから一度も学校に行ったことがない方、家族の介助がないと一人で外出すらできないという方もこの疾患の診断を受けています。
また、この疾患の診断を受ける方々には発達障害などの眠気を引き起こすことが知られる別の疾患を患っている方が多いです。
このように臨床医療現場で「特発性過眠症」の診断を受けている患者さん達は個別の症例で併発症状他の症状が全く一貫しません。
このような状態でこの疾患の正しい定義を把握し、症状の詳細などを啓発することは難しいものです。
特発性過眠症という疾患の概念が歴史上初めて公式文献に登場するのは1950年代にチェコスロバキアの医師(Bedrich Roth)が毎日12〜14時間睡眠、睡眠酩酊、起床困難、認知機能障害などの一連の症状を呈するグループを発見し、その医師がそのグループを特発性過眠症と命名し発表した時でした。この時に定義された(各文献で"Polysymptomatic"「多症状型」、"Complete"「完全型」などと呼ばれている形態)が現在の研究で「本来の特発性過眠症/本物の特発性過眠症である」と最も支持を受けています。引用元
前述の通り、現代の特発性過眠症は定義が曖昧です。特発性過眠症の「特発性」とは「原因不明」という意味です。
現在「特発性過眠症」という用語は前述の研究機関から支持をされている定義(各文献で"Polysymptomatic"「多症状型」、"Complete"「完全型」などと呼ばれている形態)とは別の意味で使用されており、特発性過眠症はその名前の文字通りの意味通り原因不明の眠気を引き起こす全ての病態が含まれている傾向にあります。
今現在の臨床医療現場で使用されている診断基準の患者さんの症状は診断基準の幅が広すぎて併発症状などが一貫しません。
こういった状況で現在の特発性過眠症は医療関係者の方々、睡眠専門医さんにまでこの疾患の存在自体を否定されたり疑われていることすらもあります。
しかし、このチェコスロバキアの医師により発見発表された特発性過眠症(各文献で"Polysymptomatic"「多症状の」、"Complete"「完全型」などと呼ばれている形態)は併発症状などが一貫しており、各研究者からも医学的にも存在する疾患であると肯定的な支持を得ている疾患概念です。引用元
臨床医療現場の睡眠専門医さんにも特発性過眠症の診断基準の問題を把握していない方が多くいらっしゃいます。
現在、臨床医療現場で使用される終夜睡眠ポリグラフ検査PSGや反復睡眠潜時検査MSLTなどの診断基準は健常者でも22〜30%(3〜5人に1人)がその基準を満たします。
更に、この検査基準は前述の本来の特発性過眠症の定義である完全型(各文献で"Polysymptomatic"「多症状型」、"Complete"「完全型」などと呼ばれている形態)の方の70%以上の方が陰性となってしまうものです。
現在のICSD3の特発性過眠症の診断基準は問題点が多く、この基準を記載している国際睡眠障害分類ICSD3の出版元や筆者すらも否定的な見解を示し、各過眠症の研究団体から廃止が発表されています。引用元
現在臨床医療現場で広く使用されているPSG+MSLTの診断基準は睡眠障害国際分類に記載されており、今現在でもこの診断基準を使用する睡眠クリニックは多く存在します。しかし、この診断基準を満たすことが特発性過眠症ならば、健常者の一般人口の3~5人に1人(約22~30%)が特発性過眠症なのでしょうか?
今研究で最も支持されている"Polysymptomatic"「多症状型」の特発性過眠症の症例の約70%が陰性で、健康な一般人口の約30%が陽性になってしまう診断基準が問題であることは議論が必要ないでしょう。
しかし、臨床医療現場では前述のPSG+MSLT検査の結果に大きく頼り診断を下しているような状態です。
臨床医療現場の特発性過眠症は「この検査が陰性であるか陽性であるか」というこの検査の基準自体がこの疾患を定義しているように感じられることがあります。
一般的な他の疾患では、疾患が先に存在し、診断基準がそれに合わせて定義をされます。
しかし、現在の臨床医療現場での特発性過眠症はその逆で疾患の診断基準自体が疾患を定義しているような状態に感じられます。
特発性過眠症は歴史上3回も診断基準が変更になっています。
特発性過眠症は時代ごと、医療機関ごとに診断基準が変わるので、過去の診断基準で「特発性過眠症」の診断を受けてきた長時間睡眠で睡眠酩酊を伴うMSLT検査が陰性の特発性過眠症の患者さんらが、今現在の診断基準では「あなたは特発性過眠症ではない」という診断を受けて投薬を打ち切られたりという問題が起きています。
今現在の特発性過眠症の診断基準は問題が多く議論され、廃止が発表されています。
しかし、今の診断基準が各研究機関や研究者から全否定され、廃止が決定している状況だからといって、この疾患が正しく診断できる他の診断基準が存在するわけではありません。
特発性過眠症という疾患の診断基準は今後も問題が議論され続け、診断基準が定まらないという状況を繰り返すことが予想されます。
当団体の特発性過眠症の活動ページはこちらです
クライネ・レビン症候群(反復性過眠症)
クライネ・レビン症候群(反復性過眠症)は別名「眠り姫症候群」とも呼ばれており、1度眠りにつくと数日間~数ヶ月間も眠り続けてしまう「傾眠期」が反復的にやって来るという、とても珍しい「過眠症」のひとつです。
クライネ・レビン症候群の傾眠期中は意識が混濁しており、記憶も曖昧です。クライネ・レビン症候群(反復性過眠症)と昏睡との違いは、呼びかけに対しては反応し、食事の摂取も、声かけがあれば自力で出来ます。食事の準備や配膳下善などは難しいことが多いです。また失禁はなく、自発的にトイレに行くことが出来ます。それ以外は大抵、1日中眠って過ごし、その状態が数日間~も続きます。
クライネ・レビン症候群は10代~青年期に発症することが多く、学業や仕事など、社会生活、および学業や進路にも大きく影響を及ぼします。
また、この疾患はその症状の特殊さや患者数の少なさから「しばしば数週間眠り続けてしまう」という真実をお医者様に伝えても、「そんな事があるわけない!」と怒られて、全く話を聞いて貰えなかったり、長い間、精神科に通い「うつ病」や「双極性障がい」と誤診を受けていた患者さんも多いです。
クライネ・レビン症候群の患者さんはこの様な特殊な症状に合わせた生活を余儀なくされるため、社会においても「自力で起床することが困難」という事実や『病気の症状であり、自分の意思ではどうすることも出来ない』ことを理解して貰えず「いつも寝てばかりいる」「怠けている」「やる気が無い」などと誤解され苦しんでいます。
クライネ・レビン症候群の患者さんの生活状況や症状によっては、傾眠期に水分さえ取れず、脱水症状に陥ってしまうなど、危険な場合もあります。介護が必要だと考えられるケースも、少なくありません。
それなのに未だ、この先進国日本においても、お医者様や福祉関係、また、看護&介護関係の方々でさえ、この病気のことをご存知無かったりするのが現実なのです。
世間一般並びに医療関係者様、とくに精神科医の先生方に、是非、1日でも早く研究を進めて頂きたいです。
私達クライネ・レビン症候群(反復性過眠症)患者が、安心して通院したり、より社会的な生活をおくれるような時代が、1日も早く訪れますことを、痛切に願っています。
※実際の臨床医療現場のクライネ・レビン症候群は周期的に長時間睡眠をとる様々な別の症状の方々がこの診断名をつけられている傾向にあります。こちらに記載の症状はさまざまな文献に取り上げられている典型症例です。
現在クライネ・レビン症候群の診断を受けている多くの患者さんは普通の睡眠不足症候群の方が多く感じられます。
現在多くの患者さんが、ブラック企業や進学校の受験生の方などで普段の睡眠時間が4時間くらいの方が反動で連日20時間寝てしまうという症状でクライネ・レビン症候群の診断を受けており、ここに記載の全ての症状を経験しません。
ナルコレプシー1型
当団体では「みんなが知らないナルコレプシーの10つの事。」10 Things You Didn’t Know About Narcolepsy の啓発を行っています。
10.映画で取り上げられていたような病気ではない。
ナルコレプシー患者は過去にコメディ的な登場人物として映画で取り上げられたことがあります。
映画で取り上げられているように人との会話の途中で寝てしまうことは現実世界で起こり得るかもしれません。でも、それは毎日起こる典型的な症状ではないのです。ナルコレプシーは眠気だけの病気ではなく、その他に重大な症状を伴います。そしてそれは映画で扱われるような冗談のような症状ではありません。
9.ナルコレプシーの人々は常に眠っているわけではない。
ナルコレプシーの患者さんは、昼間は眠気に苦しむかもしれませんが、夜は眠れません。 「夜間睡眠中断」は、ナルコレプシーの主要な症状です。
8.感情の起伏が脱力発作の原因となることがある。
の日常で起きるごく普通の感情起伏、笑い、驚き、煩わしさ、等は、一時的な筋肉麻痺(膝ががくっと座屈したり、頭部がガクッと力が抜けたり、地面に倒れて動けなくなることもある)を引き起こします。これはカタレプシーと呼ばれる脱力発作であり、ナルコレプシー特有の怖い症状なのです。
7.昼寝は贅沢ではありません。
ナルコレプシーを患っている人にとって、昼寝を取ることは幸せなことなどではなく、極端な肉体的感覚を経験しているのです。ほとんどの学校や職場では、昼寝は避けられないものですが、周囲からは歓迎されないものであり、また昼寝を計画する事が難しいこともあります。
6.恐ろしい幻覚。
あなたは、これまで眠りから目が覚めた時に体を動かすことができないという経験をしたことがありますか?これは睡眠麻痺と呼ばれるもので、一般人口の1/3が経験することでありますが、ナルコレプシーの患者さんにはそれがより頻繁に起こります。時には現実と同じ位の現実感のある視覚、聴覚、触覚、の全ての感覚を伴う幻覚を経験します。ここでは「生々しい悪夢」と再定義します。
5.医師ですらナルコレプシーを知らない。
最近の調査で、一般かかりつけ医の91%、睡眠専門医の58%が、ナルコレプシーを的確に診断できる自信がないという回答でした。ナルコレプシーの5つの主要な症状をすべて挙げることができたのは睡眠の専門家のわずか22%のみでした。このことが原因でナルコレプシーの患者さんは3〜25年間未診断という事態に陥っています。ナルコレプシーはてんかん、うつ病、および統合失調症と誤診されることがあります。
4.眠気の症状が必ずしも眠気と感じられるとは限らない。
ナルコレプシーの眠気は、多動性、過敏性、気分障害、注意欠陥、ぼんやりとした気分、または記憶障害として現れることがあります。これらの行動的および認知的変化は非常にリアルではっきりとした症状ですが、私たちが "眠気"と考えるもの、すなわち、瞼が重くなったり、あくびをしたり、うとうとしたり、というものではないのです。
3.治癒法のない神経障害。
ナルコレプシーは、覚醒、睡眠、および夢を制御するのに役立つニューロン(ヒポクレチンまたはオレキシンと呼ばれる)が徐々に喪失される事によって引き起こされる自己免疫性神経障害であると考えられているます。現在、治療法は皆無であり、その失われたニューロンを補充したり置き換えたりすることはできないのです。患者さんは、様々な薬物を使い、自身の健康状態のスケジュールを注意深く管理することで対応するのです。ナルコレプシー患者さん個人個人により全く性質が異なり、二人以上のナルコレプシー患者さんの症例が全く同じ対処療法で治療できるという事は絶対にないのです。一人の患者さんに効く方法がもう一人の患者さんに全く効き目がなかったりするのです。
2.眠気は怠惰ではない。
あなたが2〜3日間連続で一切睡眠を取っていない状況を想像してください。それがナルコレプシーの患者さんが毎日感じている眠気です。この眠気は神経学的で制御不能であり、怠け者であるとか意志が弱いからというものではありません。もし私が怠け者ならば私はテレビを見たりゲームをしたりします。睡眠はそういった楽しい事の部類のものではないです。そもそも私は睡眠中に記憶がなく何も覚えていないのです。
1.あなたの知り合いの中にもナルコレプシーの患者さんがいます。
世界のナルコレプシーの有病率は2,000人に1人と言われています(日本の有病率は600人に1人です。)数多く存在する子供の患者人口を含め20万人のアメリカ人と300万人の世界中の人々が患っている疾患です。ナルコレプシーは目に見えません。私たちは外見的に「健康」に見えるかもしれません。ただし、内部の閉鎖されたドアの中で苦しんでいるのです。症状が誤解されることにより、多くの患者さんがその症状を秘密にしてしまいます。しかし、あなたの友人、隣人、同僚にもナルコレプシーの患者さんがいるのです。
概日リズム 睡眠-覚醒 障害
世間では「朝起きられない」のは、「本人が好んで夜更かししているから」だと思われがちです。
しかし近年、体質的な朝型・夜型の約50%が先天的に規定されていることがわかってきました。つまり私たちの中には、どんなに頑張っても、眠る時刻や起きる時刻を変えることが難しい人たちが一定数いるのです。
その中には、先に挙げたような「眠る時刻と起きる時刻が極端に遅い状態で固定しているタイプ」や、その両方が「日に日に後ろへずれていくタイプ」があります。さらに「明確なリズムがみられず、不規則に寝起きを繰り返すタイプ」もあります。
概日リズムは年齢によって変化をするものであり、ある時から、夜に寝れない、朝起きれない、昼間に眠くなってしまう睡眠相後退症候群、または夜は寝れるが1日に3回眠くなってしまうという不規則型睡眠覚醒パターンの症状の患者さんがナルコレプシー2型や特発性過眠症等の過眠症と誤診を受け適切な治療から遠ざかってしまうこともあります。
このような傾向をもつ人は、一般的な24時間周期の生活リズムに合わせるのが困難なため、生きていく上で様々な社会的制約を受けてしまいます。
私たちの身体リズムには個人差があること知っていただき、色々なタイプの人が共存できる社会を作っていく必要があります。
睡眠不足症候群
この病気は慢性的な寝不足のため、日中に過剰な眠気が襲います。過眠症によく似た症状を伴います。
平日の睡眠時間が少なく、それを取り戻すために休みの日には長い睡眠時間をとっていることが特徴的です。しかし多くの場合、本人が睡眠不足を自覚していません。
毎日8時間以上の睡眠が必要な長時間睡眠者では、必要な睡眠時間は人それぞれで違うことや、体質的に睡眠不足に陥りやすいことをよく理解し、必要な睡眠時間を確保する工夫が必要になります。
当団体では過眠症の診断を受ける睡眠不足症候群を疑われる方が多いことから睡眠不足症候群の支援を積極的に行っております。